私がユージーンに拾われてから、もう6年ぐらい経った。
 私の正確な年齢はわかんないけど、取り敢えず、13歳ってことになってる。
 推定7歳の時にユージーンに拾われて、それから約1年間必死にフォルスの訓練をして、8歳の時には王の盾に入隊した。
 フォルスの訓練には、色々な人が付き合ってくれた。ユージーンやワルトゥ。それに、サレまでも。
 そして、実戦ではトーマ相手にフォルスを使ったような気がする。サレの勧めで。

 それで……最近、自分の記憶について、考えるようになってきた。
 ユージーンの話では、私は毎晩のように寝言を言ってるらしい。「ヒューマのせん滅」や「聖なる王」とか……でも、私は夢の事なんて全然覚えてなくって、正直何のこっちゃか全然わからない。

 大切なのは過去じゃない、未来だ、と言うことも、ちゃんとわかってる。
 でも、やっぱり思い出したいと言う気持ちもある。
 ……私は何で全てのフォルスが使えるのか、とか、両親はどんな人なんだろうって。

 その事をユージーンに言ったら、凄く渋い顔をしてた。
 ワルトゥに言ったら、色々と励ましてくれた。
 ミルハウストに言ったら、頭を撫でてくれて「その内わかる」と言ってくれた。
 トーマには言いたくなかった。
 サレに言ったら、「の不安そうな顔、初めて見たよ」と、笑い飛ばされた。

 やっぱり、悩んでても仕方ないって思って、今日を過ごしているわけなんだけど。



04.アルヴァン山脈地を這ってでもやってくる変態牛肉





、今日も寝言を言っていたぞ」
 早朝、早々と家を出て、城に向かうユージーンと。まだ眠そうに目を擦るに、ユージーンは寝言の事を言う。は、ユージーンを見上げた。
「そうなんだ。でも全然覚えてないの……いつもと一緒だった?」
「いや、今日は……ユリがどうのこうの言っていた」
「ユリ? 花のことかなぁ……?」
「よくは聞き取れなかったがな。覚えてないのなら、考えても仕方ない」
 霧に包まれたバルカを、カレギア城に向かって歩く二人。大体、話すことは決まっていた。一番最初に、の寝言のこと。その次は、今日の予定。
「今日はミナールに行くぞ」
「すっごい唐突だね」
 何の前触れもなしにミナールに行くと言い出したユージーンに対し、は珍しくツッコミを入れた。
「王の盾の半数でアルヴァン山脈まで訓練しに行く。城の方は、ワルトゥに任せることにする」
「そっか。……今回は、私も参加するの?」
 前にもユージーンは、と共に王の盾半数を率いてアルヴァン山脈まで訓練をしに行った事があった。その時は、は11歳で、体力も乏しく険しい山道なんて無理だろうと言う事で、見学だけして終わったのだが。
 の質問に、ユージーンは頷く。
「ああ、参加させるつもりだ。体力もついてきたしな。……だが、無理はするなよ」
「はーい!」



 カレギア城についた二人は、ワルトゥに訓練のことを話して、王の盾の半数を率いてバルカを出た。
 そして、バルカ港からミナールまで行くのだが、船で丸二日はかかる。
 と言うか、半数の中のメンバーが問題だった。
ー!! どこだぁぁぁああ!!」
 船内で迷惑にも叫ぶトーマ。今回の訓練には、トーマもついてきている。いや、寧ろ強制的に勝手についてきたと言っても過言ではないが。
 の姿を見ては発情して暴走しだすトーマは、常にとは別行動だった。そして今回も、が訓練しに行っている間は、トーマは城にいるように命令されていたのだが、命令無視をして、のいる船内へと浸入。
 そして、早速探しに励むトーマ。だが、トーマにとっては運悪く、先にユージーンに見つかってしまう。
「トーマ?! 何故ここに…! お前には、城にいろと命令したはずだが?」
「ぬぅ…! 見つかってしまったか……!」
 あれだけ叫んでたら見つかるだろ。ユージーンは心の中でそうツッコむ。
「あれ? ユージーン何やってるの?」
 そして、今度はが登場。はユージーンに話し掛けるが、トーマの存在を確認すると、三歩引いた。
「と、トーマ?! 貴方はお城にいるハズじゃ……」
「ぬはははははァ! と俺様の前では命令なんざ無に等しい! 寧ろ無を軽く超えている!! 今こそを俺様の手に―――!!!」
 わらわらと王の盾の隊員が集まるなか、トーマはガッツポーズを決めて、に猛突進。ユージーンは槍を構えるが、トーマの方が早かった!
 絶体絶命。
 そんな四字熟語が、周りに居たヒトが思った矢先――
「シュタイフェ・ブリーゼぇぇえ!!」
「ぐぉぉぉぁぁああ!!!」
 の目の前までやって来てたトーマは、横からきた衝撃波によって、吐血しながら横へ流された。って言うかぶっ飛んだ。
 その衝撃波を出したのは、他ならぬサレ。サレは、軽く息を吐きながら髪を掻き揚げる。それと同時に、ラズベリーの香りが漂った。
(ラズベリーグミ食べてたな)
 隊員一同、同時に思ったそうな。
「やぁトーマ、隊長の命令無視してを追いかけて来るなんて、なかなかの命知らずだね。でも、を自分のモノにしようだなんて卑劣な行為は僕が許さない。は僕のモノだからね。ふっ」
 何を言い出すのでしょうか、このラズベリー少年は。思い切り隊員達がサレの言葉に引きました。そしての身を案じる。
 勝手に所有物にされまくってる当のは、疑問符を浮かべて首を傾げ、
「サレ、私ってサレのモノなの?」
「ん? あぁ、そうさ」
「じゃあサレは私のモノね」
 凄い発言してます、の発言に、サレは不敵な笑みを浮かべる。そして何気にユージーンをチラ見しよった。
「……サレ、に変なことを教えるんじゃない」
「おやおや隊長? あぁ、貴方にとっては娘のような存在ですからねぇ、やっぱり気になりますか? でもいずれは、は僕のところに――」
「くッ……お前のような変態には断じてやるものか!」
 サレの言葉に、ユージーンは珍しく激怒した。余程が愛しいと思える。ユージーンの珍しい激怒を見れて、サレはすっかりご満悦のようだ。変態と言われた事は全然気にしていないらしい。
 しかし、吐血して痙攣していたトーマが、いきなり立ち上がる。
「うぉおおおおお!! サレェ!! 貴様、このトーマによくも……! それより! 俺様もお前のモノになってやるから、も俺様のモノに!!!」
「え、ヤダよ。トーマなんていらないもん」
「ぐぅッ」
 ある意味サレのシュタイフェ・ブリーゼよりダメージを与えたかもしれない、の一撃。トーマは精神的ダメージをかなり受け、硬直している。そんな中、詠唱を唱えだすサレ。
「ウィンドスラッシュ!」
「グフッ!」
 仲間なのに本当に容赦しないサレ。いや、まぁ仕方のない事なのだが。トーマは体を切り刻まれて気絶。そんなトーマを見て、サレはため息をついた。
「海に落とそうか」
 賛成。ユージーンもも隊員も、声には出さずに頷いてそれを承諾した。



「まったく、トーマもしつこいなぁ」
「そうね」
 結局、トーマはサレの嵐のフォルスによって浮き、そのまま海へと投下。激しい水しぶきと共に、海の藻屑になったのだった。
 そして今は、暢気に甲板で風に当たっているところ。サレは、トーマを落とした所を遠目で見ながら呟く。それに軽く笑いながら頷く
もさ、もっと抵抗した方が良いよ。君のフォルスなら、トーマを抹殺する事だって可能なはずなのに」
「抹殺って。確かに、トーマを止める事だって出来るけど……トーマのあの凄まじい勢いの顔を見たら、何も考えられなくなるんだもん」
「まぁわかるけど。も年頃だしねぇ……城には男ばっかりだ。……僕が言いたい事、わかる?」
「全然」
 ユージーンの教育が良すぎるのか。もしくは、ただの天然なのか。
 そういう裏めいた事について、はまったく知らなかった。そんなに、サレはため息をつく。そして、手すりに肘を置いたと思ったら、指をくいっとあげる。その途端、のスカートが風によって捲り上がった。
「きゃ!」
「こんな風にイタズラされちゃうってことだよ」
「サレの馬鹿! 変態!」
 スカート捲りをした当のサレは、の罵声なんてものともせず、大声で笑う。は顔を真っ赤にして、きっ、とサレを睨んだかと思えばサレと同じように風を発生させた。サレの服は、もの凄い勢いで胸の下ぐらいまで捲り上がった。
「うわッ! 、手加減ってものを…!」
「サレ、チャック開いてるよ」
「あはは、が閉めてくれる?」
「無茶言わないで」
 サレは一生懸命服を押さえつけ、に訴えたが、は真面目な顔をして「チャックが開いている」と指摘。それにサレは苦笑しながら問題発言。はフォルスを止め、ツッコんだ。

 あんたら何やってんだ。
 たまたま、周りでサレとの一部始終を見てた兵士が、心の中でツッコんだそうな。
「ふふ……本当に全てを壊したくなるぐらい、好きだよ。……」
「私もだよ、サレ」
 どんな会話だよ。
 の耳元で不敵に微笑みながら囁くサレに対し、普通に笑いながらサレに返答する。そこまで純粋だと、腹黒くないのに、腹黒く見えてしまうという罠。そんな二人を見て、またしても兵士が心の中でツッコんだ。



「バイラス相手にフォルスは使って良いが、山道を楽しようと思ってフォルスを使うのは禁止だ。半日近くかかるだろう。もし遭難した場合は大声で人を呼ぶように。先に北部に着いた者は、その場で待機しておけ。では、訓練開始だ」
 ユージーンが訓練についての事を簡潔に説明して、最後に手を叩けば、隊員たちが一斉に山を登り始めた。ユージーンは、サレとを一瞥し、山の坂道を登り始める。
 現在、王の盾の中のヒューマのフォルス能力者と言えば、サレとしかいない。ガジュマは、ヒューマに比べて寒さも対して感じず、体力だってうんとあった。そんな中、は劣等感を感じずにはいられなかった。
「……皆、早いなぁ」
「ま、僕はもう慣れたけど」
 ガジュマの素早い動きに、は思わず呟いてしまった。すると、近くにいたサレが嫌味のように言ってくる。そんなサレに対して、は目を輝かせた。
「サレって凄いよね」
「は?」
「だって、今までずっとガジュマばっかりがいる、王の盾に入ってたんでしょ? 力も、体力もガジュマの方が勝ってるのに、サレって結構上の立場にいるじゃない? よく、頑張ってきたよね」
 の言葉に、サレは目を丸くした。
 ……そんな事、今まで一回も言われた事がなかった。寧ろ『ヒューマの癖にフォルスが使えるなんて』と言われて虐げられ、王の盾に入ったものの、嫌味を大声で言われたりしてきた。
 だから、そんな奴らに仕返ししてやろうと、今までガムシャラに頑張ってきただけの話。結局、頑張っても周囲の奴らには理解されなかったが。だが、の今の言葉は、今まで自分がやってきた事を、すべて認めてくれたような気がする。思わずサレは、顔を緩ませた。
「……ありがとう、。君は僕の希望だよ」
「サレがお礼言うなんて珍しいね。って言うか希望とか、大げさすぎるから」
 サレの言葉に、は笑った。サレにとっては大げさなわけでもないのだが、言ったって信じてくれないだろう。そう思い、サレは開きかけた口を、再び閉じる。別のことを言おうと、また口を開いた。
「僕は先に行ってるよ。も精々頑張るんだね」
「うわ、酷い」
 サレはペースを上げて山を登っていき、あっという間にの視界から消えた。
 初めて一人になったかもしれない、と心の中で思い返す。考えれば、ユージーンや、ワルトゥや、サレや、ミルハウストや、アガーテちゃん……ずっと人と一緒だったんだなぁ。今になって、どれだけ周りの人に支えられてたかがわかる。
 ……トーマやトーマやトーマから、皆、守ってくれて……いつか恩返ししよう。
 そう決意し、は歩くペースを少しだけ早めた。

 山の登りを、やっと半分ぐらい来たところぐらいで、もの凄く急な坂道があった。はひとつため息を吐いて、その坂を登る。…下手したら50度ぐらいあるんじゃないだろうか。
 大杖を地面に刺しながら、滑らないように慎重に進んでいたところで――……
「……?」
 ふと、足回りに生暖かい風。こんな寒い山で、こんなにも生暖かい風が吹くはずがない。
 ……サレの悪戯か? いや、サレはもう下りにかかっててもおかしくないだろう。そんな遠いところから、フォルスを使って自分のスカートをめくろうなんざ、多分ありえない。恐る恐るは自分の足元を凝視した。
「ハァー……ハァー…………やっと追いついたぞぉ……」
 地面に這って、鼻息荒く、汗をもの凄くかいてて、いつもより10倍は醜いトーマ。
「ッギャ―――――ッッ!!!」
 らしからぬ、本気の絶叫。
 は50度近い傾斜なんざ忘れて、一刻も早くトーマから逃れたい一心で道を駆け上る! しかしトーマはトーマで起き上がって走ってを追う! 牛の癖して意外に早いトーマ!
 ちょうど、その時、バイラスに襲われてアタフタしている隊員をは確認した。
「ッ……突っ込めー!」
 あと一歩というところまで追い詰められていたは、両手を大きく広げて追いかけて来るトーマの頭上を飛ぶことによって避けた。いきなり目の前からがいなくなり、それでも勢いが止まらなかったトーマは、勢い余って隊員を襲っていた溶岩の塊がバイラス化にしたレグタイトに抱きついてしまう。

 バキッ
 バラバラバラ……

 なんと、トーマに抱きつかれたレグタイトは、一瞬にして粉々に。
 これにはも驚いた。トーマに抱きつかれたら自分もああなるのか、と思ったら寒気が止まらない。そして、レグタイトに襲われていた隊員は、トーマを見て「牛のバイラス?!」と言い出して慌てる始末。
 そして、ゆっくりとの方を振り返るトーマ。
 殺される。
 と思ったは、再び一目散に山を登りだした。途中、何人ものガジュマの隊員を追い抜かしているだが、本人は全く気付いていない。
「はぁぁーはぁぁー――!!」
「キモイ――!! 来ないでーー!!」
 もはや下りの中盤に入っている二人。そこで、運良くサレが前の方にいるのを、は確認した。サレなら、トーマの暴走を止めてくれるかもしれない…!
 そう思っただが、「なんかサレなら私の苦しんでいる場面見て、楽しまないか」と思いなおし、どうしようかと逃げながら策を考える。
 ……レグタイトと同じようにしてみようか。サレの生存率が危ういが。
 再び、はトーマの頭上を飛ぶことによって、トーマを避けた。そして、勢いのままにサレを背後から抱き締めてしまうトーマ!
「ふッ……」
 何故笑う。
 死にはしななかったものの、サレは何故か薄く微笑んだ。そして、トーマの顔を見て、顔を赤らめる。
「と、トーマ……悪いけど、僕にはそんな趣味はないよ。まぁ、前々からトーマが僕の事をそういう目で見ていたのは、薄々感じていたんだけど。でも僕は、今は一筋だからさ……ごめん、トーマ」
「さ、サレが謝る必要なんかないぞ……って何を言わせるコンチクショウ!! 俺様だってそんな趣味はない! ましてやお前みたいな奴と…!」
 サレの体はレグタイトより頑丈なのか。そんな疑問を少し残すところだが、放っておいて。トーマは急いでサレから離れた。
「僕には興味がなくて、には興味があるんだ? つくづく嫌な奴だね、トーマ…!」
 剣を抜いて、バッチリ戦闘突入モード完了なサレ。何故戦うはめに。そんな言葉が、トーマとの頭の中によぎる。ここで逃げるのも嫌なので、トーマも構えて戦闘モード完了。
 そして、は慌てた。この二人が争うなんて、当初の目的とちょっとずれてるような気がする。
「ちょッ……やめようよ、サレ、トーマ!」
「大丈夫だよ、。隊長には牛がバイラス化したものを倒しました、って言えば平気だからね」
「誰が牛だぁッ!!」
 お前だ。
「俺様は牛ではないッ…! まぁ、貴様が倒れた場合は、ラズベリーがバイラス化したものを倒した、とでも言っておこう」
「無理があるって」
 トーマの発言に、はツッコんだ。そんなのツッコミをスルーして、トーマは拳にグッと力をこめる。
「喰らえ! 俺様の拳!!」
「はッ、その程度のスピードなんて目じゃないね」
 トーマの正拳突きを、鼻で笑いながら軽くよけるサレ。トーマの拳は、サレの後ろにあった壁……もとい、山の崖に叩きつけられる。
 その途端。
 ガラガラガラ
「ぬぅ?!」
 落石。
 トーマは見事に上から降ってきた岩によって、押し潰されてしまった。自業自得といえばそうだが、問題はここからだ。
 落石は、それだけでは終わらなかった。次々と落ちてきて、最終的にはとてもデカイ丸岩が落ちてきた。
 ……そして、その岩は、この山の傾斜をゆっくりと滑ろうとする……。逃げな死ぬぞ、コレ。
「や、ヤバイ…よね……」
「そう、だなぁ」
 とサレは冷や汗をかきながら、ゆっくりと迫ってくる丸岩を見る。
 途端に、その丸岩のスピードは一気に増し、二人を追いかける!
「いやだもう! トーマから逃れられたと思ったら次は岩?!」
「ツベコベ言ってないで、走るだけに専念しなくちゃ潰されるよ、!」
 一目散に走るとサレ。
「サレ、嵐のフォルスでどうにかなんないの?」
「無理だよ。こんな集中できない状況でフォルスなんて使えるもんか。それに僕にできるんだったら、もできるだろ」
「うぅ……」
 本気で逃げるしかないのか、とは心の中で呟き、麓を目指して一気に駆けた。

「あ、ユージーン!!」
 岩に追いかけられ息も切れてきた所で、ユージーンを見つけたとサレは、心の中からホッとした。名を呼ばれたユージーンは、疑問符を浮かべながら後ろを振り返る。
か? 随分早―――岩?!」
 を確認し、少し驚くユージーンだが、の後ろを追いかけている岩を確認すると、かなり驚く。取り敢えず岩を破壊しなくては、とユージーンは思い、槍を構える。
「旋風槍!」
 は、自分の横を風が横切るのを感じた。ユージーンが槍を使って、真空波を出して後ろの岩を粉々に砕いたのだった。
 やっと岩から逃れられたとサレは、安心からくるため息をつく。
「お、終わった……」
「まったく、トーマも面倒な事をしてくれたよ」
 まだ息を切らしながら言葉を吐く二人に、ユージーンは笑った。
「しかし、こんなに早く麓近くまで来れたんだ。今日は早く帰れそうだな」
「でも、ユージーン。途中で岩に気付かずに押し潰されちゃった人が何人もいるんだけど」
 ユージーンは、笑った顔のまま硬直する。

 結局、押しつぶされた人を救出しに行ったりで、訓練が終わるのは半日を軽く超えた時間だった――……。

あとがき
オチ失敗しました(涙
アルヴァン山脈にて訓練話です。と、トーマがいないと、どうしてもギャグが成り立たず…!強制的に入れてみました(笑
ちなみに、サレ様とはまだ恋人までいっておりません。サレはさんへの感情を把握してません。さんはサレの事を「お兄さん」みたいな感じで思ってたら…!(笑)いや、友達かな!
次回はさんが14歳。思春期真っ盛りで色々悩み事が出来ちゃいます。色んな女性陣に話をしに行きます。そして、最後はサレと!
ここまで読んでくださった方、有難う御座いました!
2005/3/6
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