月も笑った
「好き」
がそう伝えると、ワジは一瞬きょとんとした表情を見せた。
けれどすぐに微笑んで、人差し指での額を軽く突く。
「こら。冗談でもそんなこと言われると、本気にしちゃうよ?」
「あたしは本気」
からかうように言うワジの瞳を真っ直ぐ見て、は告げる。
「――ワジのことが、好きなの」
最近気づけたこの想いを、ようやく口に出せた。あれだけ苦しくてもやもやしてた胸の内側が、スッと晴れていった気がした。
「……ズルいなぁ、君は」
そんな顔で告白するなんて、とワジに言わせた自分の顔は一体どんな顔をしていたのだろうか。
ワジは観念したようにため息を吐く。
「いいの? 本当に手放せなくなるけど」
その返答に答えを見つけたは、笑ってワジに抱きついた。
「望むところ!」