二人で紡ぐ未来
「式の日取りが決まったぞ」
何の前触れもなく、差し出された花束。いや、前触れはあったのかもしれない。最近、ユーシスはを遠ざけてミリアムとよく話していた。それに対してはユーシスのことを信じつつも、「何かやらかしてしまったのだろうか」と不安を覚えていたのだが。
差し出された花束を、すぐには受け取れなかった。本当に、自分に、その資格があるのか。わからなくて。
のそんなためらいを感じ取ったのか、ユーシスが軽く咳払いをする。
「俺たちが歩む道は、決して平坦な道ではないだろう。苦労をかけることも多いはずだ。だが恐れなくていい」
ぽろっと、の目から涙が溢れる。ああ、この人は。いつだってこうして私の不安を溶かしてくれる。
「――俺が、そばにいる。結婚するぞ、」
自分の好きな花ばかりを束ねられた花束を、は今度こそ受け取って微笑んだ。
「はいっ……私も、お側にいます、ユーシス様っ……」